疾 患                             慢性胃炎

慢性胃炎の100%の原因はヘリコバクターピロリ菌の感染といわれています(胃炎とはヘリコバクターピロリ菌感染に起因する組織学的胃炎を意味する)。
ピロリ菌を除菌をすると慢性胃炎は確実に治ります。
また、胃癌はピロリ菌感染者に発生するが、非感染者には発生しないという上村らの知見(2001年9月13日)がありピロリ菌感染によって、胃粘膜の炎症が始まり長期間の持続感染を経て萎縮性胃炎に移行することが明らかになっています。
ピロリ菌の除菌によって胃、十二指腸潰瘍の再発がほぼ抑制されることは証明され、、現在では胃癌の発生を予防できるかどうかに注目が集まっています。

これまでの研究でピロリ菌感染がない場合に比べ、感染者では20倍以上胃癌のリスクが高いことが明らかとなっています。
除菌することで胃癌リスクが3分の1くらいに減少します。

当院では1994年、平成6年から積極的にピロリ菌の各種除菌治療を自費診療で開始し、創意工夫を繰り返した結果高い除菌成功率の実績があります。 
現在、一次治療(三剤併用療法)、二次治療(メトロニダゾール)は保険診療、再除菌、他医での一次治療、二次治療不成功例は、自費診療(五剤併用療法変法)で行っています。
日本におけるヘリコバクター・ピロリ除菌療法の保険適用上の対象疾患は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃に限られていました。

厚生労働省は(‘13)平成25年2月21日、健康保険を適用する範囲を、慢性胃炎の治療にも拡大することを新たに認めました。(保医発0221第31号)

その意義と目的は大きく、胃・十二指腸潰瘍などの発生した疾患の治療、胃癌を始めとする H.pylori関連疾患の予防、さらには感染経路の抑制です。

しかし、除菌(三剤併用療法)の普及に伴う課題もあります。薬剤が効きにくい耐性菌の増加です。
日本ヘリコバクター学会などの専門の調査では、三剤併用療法の耐性菌の割合は、平成12年には7%でしたが、平成23年には31%まで増加しています。
患者が指示どおりに抗生物質を飲んでいなかったり、除菌が不十分なまま医師が治療を終えたりして、生き残ったピロリ菌が薬に対する抵抗力をつけていることが背景にあると考えられています。
当院は豊富な除菌経験が有り、
除菌成功率はほぼ100%(最近の五剤併用療法変法900例はほぼ100%)です。(五剤併用療法はまだ保険適応外です)

除菌治療を行う際には事前に胃内視鏡検査により、胃癌を確実に除外したうえで慢性胃炎 の所見があることを確認する必要があります。
慢性胃炎を正確に診断し、その程度や個々の胃癌リスクなどを評価すること は除菌後に経過観察するうえでも重要と考えられます。
特に胃体部の萎縮性胃炎、前庭部の腸上皮化生、皺壁肥 大型胃炎、鳥肌胃炎は胃癌のリスク群として正確な内視鏡診断が必要とされます。

また除菌成功後でも胃癌発生のリスクは癌年齢に達した成人では20÷3で、未感染者にくらべて7倍以上あると考えられます。
この水準は、胃癌検診が必要な水準です。
成人での除菌成功後には、ピロリ菌感染とは無関係に増殖する能力を獲得する段階に達した胃癌の対策も含めて、定期的な経過観察もしくは検診が必要です。
除菌を実施する患者様には除菌成功後最低一年毎に内視鏡検査をできるだけ長期にわたって受けて戴く ようにお話をしています。除菌治療10年以上経過しても胃癌の発生がみられるこ とから、除菌後長期間経過しても定期的な内視鏡検査を怠ってはならないと考えられています。
胃癌の早期発見でさらに死亡を減らすという考えです。

H.pylori(ピロリ菌)感染症認定医:平成21年11月、日本ヘリコバクター学会第1回認 定試験(平成21年6月26日開催)に合格し、審査を経て認定医を取得致しました(認定番号:00040号)

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▲慢性胃炎の点状発赤

▲腸上皮化生

▲粘液の付着を伴う慢性胃炎