胃癌や大腸癌ほど多くはありませんが、食道疾患の内でも比較的多く見られます。50〜70才代の男性に多く(7:1)、一般に他の消化管癌と比較して予後はよくありません。 食道癌の診断、治療は最近新しい展開をみせています。診断面では内視鏡機器の著しい進歩と共にヨード染色も一般的診断法として広く普及しました。超音波内視鏡もかなり普及しつつあります。さらに、拡大内視鏡やNBI(narrow band imaging)がトピックスとなっています。 治療面では内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection;EMR)の普及と頚胸腹部三領域リンパ節郭清術の完成により治療成績は飛躍的に向上し、食道癌も治る癌の仲間入りを果たしたといえます。 最近のトピックスとしては内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic mucosal dissectin;ESD)と化学・放射線治療の普及があげられます。 アルコールと発癌:エタノールとその代謝産物であるアセトアルデヒドは、活性酸素を産生し、発癌の危険因子です。さらに、エタノールは細胞に対し直接障害作用を示し、その自己修復作用を阻害します。口腔、咽頭、食道では、濃いアルコール飲料の嗜好、喫煙、野菜・果物の摂取不足は発癌の危険因子ですが、大酒家ではこのような危険因子が重複することが多いのです。 |
・ビール1杯程度の少量のお酒ですぐに顔が赤くなる方 ・お酒をよく飲む方 ・ウイスキー、ブランデー、焼酎などの強いお酒をストレートで飲む方 ・タバコを吸う方 は、食道がんの高リスク群です。 |
食道がん がん研有明病院 https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/esophagus.html |
食道がん がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/cancer/esophagus/index.html |
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▲無症状で偶然発見された食道癌
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▲食道のつかえ感で来院された食道癌
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▲胃のもたれ感で来院された食道癌
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▲食道癌表在平坦型
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▲バレット腺癌
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