東京都豊島区の消化器内科 あんこうメディカルクリニック 【内科・消化器内科・胃腸科】

痛風 高尿酸血症

尿酸は細胞中の核酸(プリン体)が代謝されて生じた老廃物で、主に尿中に排泄されます。
通常、血液などに溶けた状態で存在しますが、溶けにくい性質をもちますので、増えすぎると溶けきれない尿酸が結晶となって体内に沈着し腎障害などの悪影響を及ぼします。
痛風発作は「ある日突然、足の親指の付け根が赤く腫れ上がり、激痛をともないます」。
痛風のかげには必ず高尿酸血症が存在します。
血清尿酸値8.0mg/dl以上が続いた場合は、症状がなくても食事療法や内服薬による治療が必要となります。

痛風関節炎の治療

(東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター教授 中山 寿:東京都医師会雑誌 第72巻 第2号/31.2.15)

 痛風発作は、尿酸塩結晶が誘発する急性関節炎である。
一般的に痛風関節炎は痛みが激しく、短期間ではあるが生活の質(QOL)を著く低下させるため、治療が必要である。
痛風発作の前兆期にはコルヒチン1錠を経口的に投与し、極期にはNSAIDを短期間のみ比較的多量に投与して炎症を鎮静化させる。
副腎皮質ステロイドも有効である。

1)コルヒチンの投与法
 コルヒチンは痛風発作の前兆期に1錠(0.5mg)のみ用い、発作を頓挫させる。
このために痛風患者にはコルヒチンを携帯させる。発作の極期に開始すると十分な有効性が得られない。
発作が頻発する場合、また尿酸降下薬の投与開始後に血清尿酸値の低下に伴う痛風発作が予測される場合は、コルヒチン1日1錠を連日服用させると発作の誘発が防止できる(コルヒチン・カバー)

2)NSAIDの投与法
 痛風発作に対するNSAIDは、短期間のみ比較的多量に投与する。ナプロキセンの場合、300mgを3時間ごとに3回、1日に限って投与する。
激痛が軽減した後も関節痛が持続する場合はNSAIDを常用量投与する。
COX-2選択的阻害薬よりも短時間作用型のNSAIDの方が痛風関節炎に対しては、有効性が高いようである。
比較的多量のNSAIDを使う必要があるので、消化管潰瘍がある患者、腎障害が確認されている患者や下肢の浮腫がある患者に対してはNSAIDの使用を避け、副腎皮質ステロイドを用いるのがよい。

3)副腎皮質ステロイドの投与法
 NSAIDが使用できない場合、多発関節炎の場合などには、経口にて副腎皮質ステロイドを投与法する。
プレドニゾロン15〜30mg/日を投与し、徐々に減量して、3週間で中止する。
1〜3日の短期間投与では再発する例がある。
膝・肘関節などに水腫を伴う関節炎を有する場合には、関節を無菌的に穿刺排液した後に副腎皮質ステロイドを注入する。
少しでも化膿性関節炎の疑いがある場合は関節液を培養に提出し、副腎皮質ステロイドを注入してはならない。

4)痛風関節炎の治療における注意事項
 (1)痛風発作中は患部の安静を保つ。一般的には冷却が有効である。また禁酒を指示する。
 (2)痛風発作を早く消退させるためには、発作中の血清尿酸値を変動させないことが望ましい。
したがって、尿酸降下薬を服用していない患者では投与を開始してはならない。
ただし、尿酸降下薬の服用中に生じた場合は、原則として投与を中止せずにコルヒチン、NSAID、副腎皮質ステロイドなどを加えて治療する。
服用したりしなかったりして血清尿酸値が変動している場合にはいったん尿酸降下薬を中止して、上記の治療を行うのがよい。
 (3)痛風発作の関節穿刺後には、細菌感染による化膿性関節炎と、注入した副腎皮質ステロイドのの結晶によるステロイド誘発性 関節炎が生じる可能性がある。再度腫脹がが強くなった場合は考慮するべき病態である。
 
5)高尿酸血症のマネージメント
  高尿酸血症が持続することでもたらされる体組成への尿酸沈着を解消し、痛風関節炎や腎障害などの尿酸 沈着症状を回避することが狭義の治療目標であるが、
最終的には、肥満、高血圧、糖・脂質代謝異常などの合併症についても配慮し、心血管イベントのリスクが高い高尿酸血症・痛風の生命予後の改善を図ることが治療目標である。

尿路結石を予防するために、こんなことにも心がけを!
https://www.chemiphar.tv/healthcare/urine/index_04.html
プリン体と戦う乳酸菌
https://www.meiji.co.jp/dairies/yogurt/meiji-pa3/
e痛風治療ガイド
https://tufu.sakura.ne.jp/
豊島区池袋スポーツセンター
http://www.ikespo.jp/facilities_info.html#trainingroom


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