インフルエンザはよく普通のかぜ(普通感冒)と誤解されますが、ウィルスの種類が異なり、感染力が強く最も頻度の高いウィルス感染症の一つです。 乳幼児や高齢者では重症化して合併症をも引き起こし、死に至ることがあります。 近年、パンデミックインフルエンザ(H1N1)2009や高病原性鳥インフルエンザの流行が報告され、重症化機序とその対策が注目されております。 けいれんが30分以上続く、繰り返す、あるいは意識障害が進行する場合は、インフルエンザ脳症を強く疑います。 インフルエンザ対策のためにまず、インフルエンザとかぜ (普通感冒)との違いを正しく認識していただくことが大切です。 インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3つに大きく分類されます。 A型はさらにいくつかのタイプ(亜型)に分類され、A/ソ連型やA/香港型がこれにあたります。 現在は、A/ソ連型、A/香港型もしくはB型が毎年冬季(12月〜3月頃)に流行を引き起こします。 また、最近は新型ウイルスの大流行も心配されており、新型ウイルスの出現を監視する世界的なネットワークが構築されています。 近年、咽頭拭い液や鼻腔拭い液などの検体を使って迅速にインフルエンザを診断するキットが普及してきています。 検査キットを備えている医療機関ではA型インフルエンザもB型インフルエンザも約15分待っている間に結果が出ます。 しかし、ここで注意して頂きたいことは検査の結果インフルエンザ陰性と出た場合はインフルエンザではないと断定されたわけではないことです。 検査で陽性と出た場合にはほぼインフルエンザと断定して間違いはありませんが、陰性と出た場合にはインフルエンザであることもインフルエンザ でないこともあり得るのです。 特に発病後1日以内は感度が低いためインフルエンザであるのに検査では陰性となる可能性があります(これを偽陰性 と言います)。 また、子供より大人の方が陽性率が低い傾向があります。 検査で陰性と出た場合には最終的には主治医の総合的判断に委ねられる訳ですが 主治医が「検査では陰性だが臨床症状や流行状況から考えてどう考えてもこれはインフルエンザだ」と考えれば発症後48時間以内なら効果のある抗インフルエンザ薬を処方することに なります。 従って、主治医が抗インフルエンザ薬を処方した場合には検査の結果が陰性であっても指示通りに服薬を続けることを強くお勧めします。 皮肉なことに抗インフルエンザ薬が効果のないと言われる発病後48時間以降にインフルエンザ迅速検査の陽性率は高いのです。 強いて言えば発熱した24時間以降48時間以内が検査の陽性率も高く抗インフルエンザ薬の効果も期待できる貴重な時間帯と言うことになるでしょうか。 当院ではインフルエンザ迅速キットを使用し診断の補助として役立てております。 インフルエンザワクチン 1回目 4,000円 2回目 2,500円(1回目も当院で受けた場合) |
インフルエンザの流行状況(東京都 2024〜2025年シーズン) https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/flu/flu/ |